2017年2月17日金曜日

ラヴ・ストーリー

その日は夏の雨があけた日の事



俺はよくある川の横にある散歩道(ドテの上にある細道)を散歩していたわけだ


天気もよくて気持ちのいい夏の風


前日に降った雨のせいか川の水が増えているみたいだった



得意な鼻歌を歌いながら、川の流れを見ていると



・・・・・


あれ


・・・・


何かあるぞ


良く見ると川の中央の岩にひっかかった大きな物体



(うーん)


人?


正確には寝袋(登山やキャンプなどアウトドアで使う寝具)に入った何か


まさかとは思ったけど、人が死んでるのではあるまいな?と恐怖も同時に感じたわけだ


河川敷まで行って見ていると、


何か 入っている


俺はね、怖いと思いつつも同時にやらしい話 中には可愛い女性が入っていて 

「命を救っていただいてありがとう、何でもします」 まで考えた

他にも、人じゃなくてお金が沢山入っているんじゃないかなど


ありえんありえん と思いつつも、もはや取りに行く気満々なわけだ


辺りを見渡しても人が来る感じがしない


今しかねぇ!


靴を脱ぎ ズボンを脱ぎ 着ていたTシャツを脱ぎ パンツ一丁になって急いで川に入った


川の水は以外と少なくひざの下辺り


急げ急げ!

ザブザブとまさに重戦車のごとく


あっさりたどり着いてチャックを開けるとそこには


うわっ!!


・・・・・



・・・・ドール?


一瞬 人の顔が出てきて本気でビビッタけど、自分も一体持っていたおかげで、倒れずにすんだ


・・・・


びっくりした



・・・・・


でも無くでも無く 入っていたのが ドール(人形) というね・・


しばらく立ち止まって色々考えたわけだけど、このまま・・ここを・・



「ワンワン」


犬だ



犬を連れた女性がドテの上からこちらを見ている



・・・・・


(まて)



「おぃいいいいいいいいいいいいい」



マテマテ と俺はブツブツ言いながらしばらく考えていると


女性は私が脱いだ服の辺りまでやってきた


こちらを見ている女性


俺は パン一姿 で川の中に立っている


この状況やばくないか?


川に上半身だけ出して寝ているドール その横にパン一姿のオジサン(俺) すぐ横の河川敷で 俺を見ている と



(・・・・この、これが人形(ドール)だということわかっているのか?) 俺はその事を考えていた



「ワン!」


犬がほえる (うるせぇ!)と思いながらもそのを見るとどこからか携帯を取り出した



やばいやばいやbい


急いで寝袋にドールを突っ込みチャックを閉めた


俺は寝袋を水面を引きずるように歩いたわけだ、


その パン一姿 で歩いて向かってくる俺にびびってか、女は河川敷を走り出す


俺は女を睨みつけながら、河川敷へドールを引き上げた


水を吸っている寝袋の重さはハンパなかったが、そんな事を言っている余裕は全く無かった


濡れたまま急いで ズボン Tシャツ 靴を身につけ 


こんしんの力で 寝袋 をドテの上まで引きずり上げた



今度は俺が上から女を見下ろす 

女は俺を見上げる


二人には最後まで会話は無かった (・・・それでいい)



その場を逃げるように寝袋を引きずり車へ 車の中へ寝袋を放り込む



「ワン!」


振り返ると  が携帯片手にこちらを見ているじゃないか!



(あの女、この寝袋の中身が人だと思ってないだろうな)


と、もう正直ビビリまくったわけだが


そんなことよりこの場を、一秒でも早く立ち去りたかった




移動した後しばらくして、


(・・・うちには一体いるしなぁ)


(・・・こっちのがリアルなドールだけどなぁ)


(・・・知らないおっさんが使った物だしなぁ)などと考えたわけだ



知らない人が使ったから、ドールダメなのか?と自問自答をずーーとしていたけど、結局答えは出ず時間だけが過ぎていった



そして、ついに結論が


どこかへ預けよう! ダメかダメじゃないかは別として、部屋の片隅で何年も放置され続けている俺のドールの事を考えると胸が痛くなったわけだ


警察はダメだし、病院もどうかと思った俺は


保育園花壇の前へ顔だけ出して横に座らせた


「ここならだいじょうぶだ、大事にしてもらえ」 俺はそのドールを見て微笑み


その場を去った、振り向かずに




その夜


久しぶりに部屋の片隅に寝袋に包まれている我がドールを見て


「今日は大変だったんだよ」と一言


ドールはポカンといつものように口をあけていたわけだ


「可愛いやつめ」


何年ぶりだろう


俺はドールを愛でた(めでた)



少し心が動いた事を後悔しつつも、やっぱりオマエだと心躍らせて





          恋愛にはいくつも試練がある、試練があるから燃えるんだ ゲスダゲスオ






その後



私はいやらしくも、ドールを預けた保育園へ行ってみた


すぐ側のゴミ捨て場に無造作に捨てられていた


30後半の俺はその場で大泣きし、その場を後にした・・・


「愛してあげられなくてすまない・・」



世の中にはこんなラヴストーリーもある

                                     fin